小型風力の風速と発電量
- 太陽光発電の場合は、NEDOなどで年間日照量のデータがあるためおおよその発電量は想定できますが、小型風力発電といってもどの程度風が吹けば良いのかという基準を考えてみましょう。
- ennera社のWindera-Sという小型風力発電機のGL認証資料を基にその発電量を検証します。
カタログデータでの本機は下記データに基づき10.97m/sの風速の時に出力である3.129kWとなります - 更に小型風力発電機の実力を検証していきましょう。
- レイリー式の風の出現率で計算した場合を参考に各風速による Windera Sの発電量と平成25年度におけるFIT価格を基に売電収入を計算してみましょう。
平均風5m/sの風速地に建設すると、約6,155/kWhの年間発電量が見込まれます。
この場合、売電収入は年間約340,000円(税別)となり約10年で初期投資資金が回収できます。
平均風速5.5m/sの場合は約7,563/kWhの年間発電量が見込まれます。
この場合、売電収入は年間約416,000円(税別)となり約9年で初期投資資金が回収できます。
平均風速6m/sの場合は約8,840/kWhの年間発電量が見込まれます。
この場合、売電収入は年間約486,200円(税別)となり約8年で初期投資資金が回収できます。
平均風速6.5m/sの場合は約9,942/kWhの年間発電量が見込まれます。
この場合、売電収入は年間約546,800円(税別)となり約6.5年で初期投資資金が回収できます。
平均風速7m/sの場合は約10,827/kWhの年間発電量が見込まれます。
この場合、売電収入は年間約600,000円(税別)となり約6年で初期投資資金が回収できます。
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この様に風速と発電量は、6m/sを超えた地点から大きく変化します。
- これが小型風力発電の魅力であり実力です。
小型風力発電に適した土地
平均年間風速5.5m/s以上の土地が小型風力の適地となります。
山間部の場合は風が通り抜けることができる土地であり、近隣森林が障害物となってその風を遮らない場所になります。
風は障害物があると乱気流を発生させます。その影響は風上に障害物がる場合はその高さの2倍の地上距離といわれており、更には風下に障害物がある場合、その障害物の高さの10~20倍の距離が必要とされています。
しかも、乱気流は風車の風受けを不安定にし、多くの風を受け止めることができずにエネルギー損失が多く発電量も減少します。
風力発電風車が乱気流の発生する場所に設置されると、左右に激しく首を振る現象が起きます。この首振り運動はヨーイングと呼ばれています。
荒波を航行する船舶のヨーイングと同じです。
風力発電風車がヨーイングを起こすと、ローターの角運動量が水平面内で変化することになります。
これが継続するとローター軸の方向に対して直角の力が発生してきます。 これは風力発電風車にピッチングを起こす力となります。
船舶のピッチングと同じで、垂直面で回転させる力になります。風力発電風車は垂直方向に首を振ることができませんので、風車全体に応力が発生し部品に歪ませたり、振動を発生させる原因となりますす。従って耐久性能を劣化させます。
小型風力の場合、防錆処理が施されており、海岸縁であっても建設することも可能です。。
小型風力発電の使用面積として3.2kWの小型風力の場合、3基~6基を同一の発電所とし20kW未満の小型風力発電所として建設することができます。
わたし達はさらに細分化し、その土地の平均風速を鑑みて、1基~3基をひとつの発電所として12kW未満の小型風力発電所として建設していきます。
建設用敷地として最小の面積でも最小の投資で最大の効果を産ませるべく適切な敷地利用を考慮しております。これは風車の回転による風の流れが互いに交渉し合い本来の回転を妨げてしまうことを防ぐためでもあります。
ennera社 Windera-Sを選択した理由
固定買取価格制度(FIT)での小型風力発電は20kW未満のみ買取価格が現在のところ55円/kWとコストパフォーマンスは他の再生可能エネルギーと比較すると高価格ではありますが、
低圧太陽光発電のように50kW未満の制限いっぱいの風車を選択することがBestかということを考えました。
「風」は気まぐれです。10m離れると風向きが変わることもしばしばあります。
太陽光発電のように日陰になって日照を妨げなければ発電してくれるという単純なものではありません。
大型であろうと小型であろうと「風」を受けなければ発電しません。
わたし達は気まぐれな「風」と効率よく受けるためにリスクヘッジを考えました。
それは小型風力発電の最大値である20kWに拘らずに、面積の狭い場所では気まぐれな風に対処すべく数基のWindera-Sを建設し、どこから吹く風に対しても受け止めることができるように致しました。
例えば、19.9kWの小型風力発電風車を1基建設します。その地区が強風の吹く海沿いや山間の場合は最大限の効果を見込めるでしょう。
しかし、その様な地区はそう多くは存在しません。
そしてその地区の風が年間平均風速5m未満になってしまった場合、採算ベースは大きく狂い事業は失敗する可能性もあり、投資として資金投下した投資家は損失を受けることとなります。
そうした損失をリスクヘッジするために、同じ20kWであっても3.2kWを6基建設することで回避することに致しました。
また、小型風車最適地である場合は最大出力20kWである「CF-20」という機種もラインナップしておりますので、そちらを使用し、最大効果を発揮させます。
下表のWindera-Sの発電量をドイツで計測した表をご覧いただくと、1年間のうち小型風力の採算として良いと言われている5.5mを超える平均風速が確認できるのは5ヶ月間しかありません。
日本でも同様に「冬場」が主な発電量を稼ぐ時期と言われています。
このデータでは平均風速が5.53m/sで採算基準に合っており、発電量が7,264kWh、年間売電価格が約400,000円となります。10年間で4,000,000円、FIT期間の20年では8,000,000円の売電収入を得ることが可能になります。
この場合でも1月~2月の平均風速は7.5m/sを超える風速があるからこそ年間平均風速の5.5m/sを維持できるといえます。
従って冬場の平均風速が採算ベースを図る上で大切な要素となります。